14世紀以降ヨーロッパトイレは暗黒時代と言えます。
14世紀のパリでは、うんちは窓から捨てていました。
うんちを窓から投げる前に「水に注意」
と言うのが慣習となっていました。
投げる人が「ガーディ・ロー!」(今から投げますよ!)と呼ぶのが礼儀で、
この言葉を聞いた通行人は「ウハド・ヤ・ハン!」(ちょっと待ってくれ!)
と呼び返し、背中を丸めてあわてて走り去ったと言う話です。
不測の事態も頻繁に発生する事があったので、
ヨーロッパでは男性が女性をエスコートする場合、
男性が建物の側を歩くのがエチケットだったようです。
ルイ9世が夜中にパリの道を通りかかった時、
突然マントに溲瓶の中味をブッカケられました。
人の通る時間ではなかったので、
合図をしなかったようです。
ルイ9世は投げた相手が、寝る間も惜しんで勉強していた苦学生と聞いて、
怒るどころか感心して奨学金まで与えたようです。
エチケットと言う言葉も、
現在の使われ方とは全く違った内容の言葉として使われていました。
エチケットとはフランス語で「立て札」を表す言葉です。
ルイ12世は、宮殿建物の内や外で排泄される貴族達の、
うんちのあまりの臭さに生活できなくなり、
パリ市内のルーブル宮殿から、
パリ東南18km郊外のベルサイユ宮殿に引っ越しました。
引っ越して間もなく庭師が、新しい宮殿の庭を整備していて、
整備中の場所には「立入禁止」と言う立て札を立てましたが、
せっかく立てた「立入禁止」の立て札にも関係なく、
その場所で貴族やお姫様達が排便、
排尿をしたようです。
これを見た庭師は怒り、
宮殿の主ルイ12世に報告しました。
それを聞いたルイ12世は、貴族やお姫様達に、
庭の立て札を守るように言いました。
この事件があってからエチケットという言葉は、
今使われている礼儀作法と言うような意味に、
使われるようになってきたのです。
上流階級からしてこのありさま。
日本人で潔癖性の人は
当時のパリでは住めませんね。