上下水道の普及は腸管系の伝染病制圧など衛生面に大きく貢献しました。

進歩した下水設備も100%水を浄化できるわけではありません。

人間の排泄物に含まれる成分の中で下水処理場で分解されなかった成分は川へ流されます。

例えば、妊娠女性の尿に大量に排出されるエストロゲンというホルモンは分解されずに川へ流れ環境ホルモンとして川魚のメス化を促すとされます。

また、人間が使用した医薬品が排泄されて下水処理場でも分解されない成分が有り河川へ流れています。

一方で、処理水には無機窒素やカリウムなどのミネラルが含まれていますがこれらは肥料になります。

少量であれば、環境にプラスですが大量になると富栄養化を起こして植物プランクトンの大量発生の原因となります。

川が海に流れ込む湾内で発生する赤潮の原因ともなります。

護岸工事などがされていない昔の岸辺には葦が群生し、水中の窒素やミネラルを吸収して毎年刈られることで水を浄化していました。

肥料を使わなかった時代の水田も稲を毎年収穫することで水の浄化をしていました。

しかし、葦の需要が無くなり刈られなくなりました。

水辺もコンクリートで固められ葦が生えることもなくなりました。

また、ワンが埋め立てられて干潟が無くなりました。

干潟は川から流れてくる窒素、ミネラルで増えたプランクトンを餌にする貝、小魚などが大量にいて水の浄化に役だっていました。

下水道が整備され便利になった一方で汲み取り式の時代の利点は失われています。

下水処理場の水を土に吸収させれば処理上で分解できなかった有機物は土中の菌類によって無機物に分解されますが毎日大量に排出される処理水を流せるような広大な土地は日本ではありません。