古来より日本では人糞を発酵させ、堆肥として最近まで糞尿を肥料として利用していました。

当時江戸の町で排出された糞尿は、肥え溜めというもので溜められて、近郷の百姓たちによって一滴残らず、江戸の町から運び出されておりました。

その糞尿にも松竹梅があり、松は大名家のもの、竹は武家と商売人などの町人、梅は長屋住まい等の町人のものと
ランクが付けられていたようです。

大名家江戸屋敷の糞尿は、「うんちの仲買人」と随意契約されていましたが、江戸時代も中頃になってくると、大名家も経済的に苦しくなり、公開入札にしたようです。

大名家の栄養たっぷりの糞尿は、その「うんちの仲買人」に高価な価格で落札されました。

そのため江戸以外の地方の「うんちの仲買人」は落札できず、それぞれの国での肥料の確保が、不足するという事態に陥ったようです。

窒素、リンをたっぷり含んだ肥料“うんち”を廃棄物と考えず、有機肥料として利用を考えていけば、1億2千万の肥料製造器が日本にあるとも考えられますね。

現在では、下水により人間のうんちは流されていますが、下水汚泥はたくさんの元素を含むと言われています。

現在の資源循環型サイクルは、溶融固化処理として廃棄物をつぶつぶで砕石のような形にしてタイルや土木建設資材としての利用に加え、焼却灰中に含まれる「リン」を工業原料の「黄リン」に再生し、資源化するプロセスがあります。

また、下水の汚泥に含まれるリン肥料を製造する技術が確立されています。

高純度の「黄リン」を下水汚泥焼却灰から回収する新しい技術で、この新技術は「リン」が還元されやすく、比較的低い温度で揮発することに着目して開発されました。

具体的な方法は「黄リン」の回収には電気炉に下水汚泥灰をいれ、還元材としてコークスを投入し加熱することにより、焼却灰を溶融すると同時に「リン」を揮発させ、「黄リン」として回収するもので、下水汚泥中に含まれる
「リン」を99.94%という高純度で回収することができます。

このリンと呼ばれる鉱物はアメリカ、中国、モロッコの3国で世界の「リン鉱石」生産量の2/3をしめていると言われています。

わが国では「リン」鉱石は産出しないため、「リン」資源の全量を輸入に頼っています。

採取可能な「リン」鉱石が枯渇(あと60年ぐらい)すると言われています。

世界の主要生産3国は生産調整を始めましたが、 「リン」は肥料や化学製品に欠かすことのできない元素で、人間が生きていくのに必要な農業生産活動、工業生産活動に大きな影響が出ると考えられるので、リサイクルのニーズが高まっています。

一方各家庭からでる下水(うんち等)には、多量の「リン」が含まれていて、下水処理の過程で下水汚泥焼却灰に蓄積され、「リン」鉱石なみの(リン)含有率をもつ焼却灰が生産されるのです。

下水汚泥焼却灰は全国で年間約30万t発生していて、現在その80%が埋め立て処理されていますが、この焼却灰には「五酸化リン」が約20%の濃度で含まれるため、開発技術により理論的には焼却灰の1/20、1万5千tの 「黄リン」回収が可能になり、「リン」資源の社会的な循環システムを構築することができると言われています。

試算すると30t/日の焼却灰処理設備で作られる「黄リン」の生産ランニングコストは、生成前グレードで400円/kgで、現在の「輸入リン鉱石」から生成される市販品の「リン」の2倍程度になっています。

今後の焼却灰発生量の増加と 「リン」含有量の高濃度化が進むことと、ランニングコストの60%をしめる電力料金が、市場開放(電力の民営化)による低減化が見込まれる事などから、数年後には採算性にのること事が期待できるようになるでしょう。